設備保全管理事業部/車両パーツ事業部
環境保全事業
蝶(博物書)の出版
設備保全管理事業部/ 車両パーツ事業部
子どもの頃から追い求めた蝶 創業者「白石雄治」の蝶の博物書コレクションを通して、 貴重な蝶や自然科学の情報優しい環境創造の思いに触れる
出版者
白石 雄治
白石環境株式会社取締役会長
1647年、博物学の歴史に最も大きな足跡を残したマリーア・ズィビラ・メーリアンはドイツ・フランクフルトで生まれた。彼女は1699年52歳の時、次女ドロテアをつれてオランダ・アムステルダムより船で三か月をかけて南米スリナムに向かった。目的は幼少の頃から愛して止まなかった蝶や蛾の生態の真の姿を自分の目で確認して、それを記して世に出す事であった。二年半の滞在は発病により帰国を余儀なくされたが、その間狂気の熱情で観察して書き綴った図版は「スリナム産昆虫変態図譜」として帰国後の1705年にオランダで初版本が出版された。一つの図版に昆虫の変態の推移を書き込む手法も初めてならば、その絵としての美しさと精緻な科学性にも優れており発行部数の少なさとも相まって、当時この本を所有することが貴族階級のステイタス・シンボルになっていた。後日ロシアのピョートル大帝をはじめゲーテやナポレオンが求めた事に表れている。 1705年版は60図版であったが、メーリアンの死後1726年に二人の娘たちが未発表の12版を足して最も評価の高いラテン語とフランス語による72版の「スリナム産昆虫変態図譜」の集大成を世に出した。 世界に28冊現存する、そのうち三冊が日本にある。三十数年前幸運にも入手した原書より初の日本語版(英語併記)を博物書出版事業部の最初の作品として皆様にお届けしたい。 科学と芸術は、真実を見るふたつの目だといわれている。300年前、メーリアンが終生慈愛の目で見続けた美しい生き物たちの営みをご覧いただき、自然へ更なる好機の目を向けて下されば幸いです。